「消費税転嫁対策」って聞いたことありますか?
こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。
税理士という職業柄、消費税の計算方法や税法の適用要件、適用効果などはいつも追ってみているのですが、転嫁対策ついては、あまり注意していませんでした。
12月18日(金)、千葉東青色申告会で消費税転嫁対策の相談員を拝命して、改めて資料を読み込んだので、今日は消費税転嫁対策特別措置法について書きます。
消費税転嫁対策特別措置法の4つのポイント
1.消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置
2.消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置地
3.価格の表示に関する特別措置
4.消費税の転嫁および表示の決定にかかる共同行為に関する特別措置
1.消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置について
禁止されている「転嫁拒否等の行為」とは以下のような行為です。
商品・サービスなどの価格の減額や買いたたき
商品の購入や役務利用のまたは提供の要請
税抜価格での交渉の拒否
報復行為
「減額や買いたたき」とは、
商品代金等に含まれる消費税相当分を支払わないとか、支払時に代金の一部を差し引いて支払うなどの行為です。
「減額」の例としては、税抜価格が1,000円の商品について、現在の消費税率8%を含んだ価格が1,080円であるにも関わらず、5%だった時のように1,050円しか支払わない場合などが挙げられます。
また、消費税率引き上げ分を上乗せした結果、計算上生ずる端数を代金から一方的に切り捨てて支払う行為も禁止されています。
「買いたたき」の例をしては、免税事業者である取引先に対して、免税事業者であることを理由に、消費税分を含まない価格で取引するように要求する行為も含まれます。
商品の購入や役務利用または提供の要請とは、
消費税率引上げ分の値上げを受入れる代わりに、自己の指定する商品の購入やサービスを利用させたり、自己のために金銭、役務、その他の経済上の利益を提供させることです。
具体的には、消費税引き上げ分を受入れる代わりに、ディナーショーチケットの購入や自社の宿泊施設の利用を要請することや、購入しない又は利用しなければ、消費税率引き上げ分の値上げの取扱いについて、不利な取扱いをする旨を示唆する行為などです。
消費税は、免税事業者であっても、仕入れや経費の支払いで増税の影響を受けているので、
「免税事業者だから消費税の引き上げ関係ないだろ!!」ということはないのです。
税抜価格での交渉を拒否するのは、
税込み金額で取引価格を決めてしまうと、消費税引き上げ後の値上げ分を反映できなくなりますから、消費税転嫁を拒否する行為になります。
「消費税込みで、代金据え置きでお願いね」と仕事を依頼するのはダメだということですね。
報復行為とは、
公正取引委員会などに転嫁拒否等の被害を受けたことを報告したことを理由に、取引数量を削減されたり取引停止、その他不利益な取り扱いを受けたりすることです。
もちろんそのような行為は禁止されています。
2.3.4.については、次回以降書きます。