セルフメディケーション税制をご存知ですか?

こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。

前回の記事アップからまた一ヵ月が過ぎてしまい、もう6月末。平成28年ももうすぐ半分過ぎようとしています。早いですね。今日からしばらく平成28年の税制改正について書いていこうかと思っています。

世間的には、税制改正というと消費税の税率引上げや軽減税率適用のほうに注目が集まっていて、消費税については税率引上げが順延になったことで、ニュースにもあまり税制改正について取り上げられないようになってきましたが、実は身近な生活に関係する税制がいろいろ地味に改正になっています。

今日は、手始めに最も身近でとっつきやすい「セルフメディケーション税制」についてのお話。

いきなり長いカタカナ名称で「??何??」という感じですが、つまりは医療費控除の特例です。

適用されるのは平成29年1月1日~平成33年12月31日までの間に支出した「スイッチOTC医薬品」のといわれる薬の購入代金。平成28年税制改正ですが、適用は平成29年分以降の所得税の確定申告です。

「セルフメディケーション税制の内容」

「スイッチOTC医薬品」といわれる特定の一般用医薬品を、年間1万2千円円超購入している場合、1万2千円を超えた部分の支出額を最大8万8千円まで医療費控除することができるようになります。つまり、薬局で購入した「スイッチOTC医薬品」の代金のうち10万円以下の部分については、1万2千円を控除した残りの金額を医療費控除することができます。

ただし、適用対象者は
①特定健康診査(いわゆるメタボ検診)
②予防接種
③定期健康診断(事業主検診)
④がん検診
のいずれかを受けていることが条件です。

「スイッチOTC医薬品」の購入代金は、本人及びその他生計一親族の購入代金も控除可です。

従来の医療費控除は、医療費(病院での治療費・処方箋薬局での薬代・ドラックストアでの薬代等)の支出が年間10万円を超えた場合、その支出から10万円(所得金額によっては10万円以下の場合もあり)を控除した金額を医療費控除として、税金を計算する際所得から差し引いて計算していました。

具体的には、例えば所得金額が400万円の人の場合、年間11万円医療費を支出していたとすると11万-10万=1万円が医療費控除の金額になります。

確定申告会場にいらっしゃってご自分で医療費控除の申告をされるとき、みなさん決まって計算が終わった後「えっこんなに少ないの!!」と驚かれます。

「セルフメディケーション税制」では、年間の医療費が10万円を超えない人でも、条件が合えば医療費控除を受けられる制度です。今まで医療費控除の適用が出来なかった人でも医療費控除を受けられるようになるかもしれません。

この制度は、10万円を超えた場合に適用になっていた従来の医療費控除との選択適用になります。

「スイッチOTC医薬品」一覧表を確認してみました。

厚生労働省が発表した「スイッチOTC医薬品」一覧表です。(平成28年6月17日発表分)→0000127751

条件にメタボ検診やがん検診を受けていることとなっていましたので、指定されている薬もそれ関係のものが多いのかと思いましたが、多く目につく薬は、頭痛薬、痛み止め、胃薬、湿布薬、鼻炎用点鼻薬や服用薬・・・ですが、一番目についたのは水虫・インキンタムシ薬でした。

検診の内容と購入した薬には因果関係は求めないようです。メタボ検診を受けてセルフメディケーション税制の適用となった人の、水虫の薬代についても適用可だそうです。

私が愛用している点鼻薬は残念ながらリストには入っていませんでした。抗アレルギー用の目薬は入っていました。

ニキビ治療クリームも多く入っていたので、シミとりクリームは入っていないか探しましたが、残念ながらありませんでした。

適用医薬品には共通認識マークのシールが張られるようになるそうです。

平成29年1月以降、薬を購入するときは共通認識マークの有無を確認しながら購入されるといいでしょう。

厚生労働省セルフメディケーション税制のHP