忘れちゃいけない!!年少扶養親族の記載

こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。

大変久しぶりの投稿になりました。
これから少しづつペースを取り戻したいと思います。

5月も中旬をすぎて届き始めたのが、住民税の特別徴収の計算書(普通納税の方は納付書)。

住民税は、その年の1月末までに事業者が市区町村に送る年末調整の済んだ給与支払報告書(源泉徴収票)や個人の確定申告の内容に基づいて、お住まいの市区町村が計算をして納付額の通知をしてくれます。所得税のように自分で計算をするわけでないので、計算の方法をあまり知らない方も多いはず。・・・という私も、税理士のくせに、住民税の計算方法については不勉強な部分も多く、お客様から質問を受けるたびに慌てて調べることが多々あります(お恥ずかし・・・(-_-;))

表題の年少扶養親族について。

所得税の計算では、16歳未満のお子様は年少扶養親族で所得控除の額は0円なので、源泉徴収票や確定申告書に記載をしてもしなくても、所得税の金額が変わってくることはありません。なので、ついつい「税額が変わらないから・・・」と、その家族情報の記載を省略してしまう・・・こともないことはない・・・ですね。

ところが、この年少扶養親族の記載があるかないかで大きく変わってくる金額があります。それは住民税。

年少扶養親族であるかないかにかかわらず、扶養親族の人数によって、住民税の均等割や所得割が非課税になる基準が変わってくるんです。

以下は千葉市の市民税課のホームページからの切り抜きです。

【均等割も所得割もかからない人】

  • 生活保護法の規定によって生活扶助を受けている人
    (教育扶助や医療扶助を受けているだけではこれに該当しません。)
  • 障害者、未成年者、寡婦又は寡夫で前年の合計所得金額が125万円以下の人
    (前年の所得が給与所得だけの場合は、収入金額が2,044,000円未満の人)
  • 前年の合計所得金額が次の算式で求めた額以下の人
    35万円×(控除対象配偶者+控除対象扶養親族数+16歳未満の扶養親族数+1)+21万円
    ※控除対象配偶者又は控除対象扶養親族、16歳未満の扶養親族がいる場合のみ21万円を加算します。

【所得割のかからない人】

  • 前年の総所得金額等が次の算式で求めた額以下の人
    35万円×(控除対象配偶者+控除対象扶養親族数+16歳未満の扶養親族+1)+32万円
    ※控除対象配偶者又は控除対象扶養親族、16歳未満の扶養親族がいる場合のみ32万円を加算します。

ちょっとわかりづらい計算かもしれませんが、こういうことです。

扶養親族がいない単身の人・・・合計所得金額が35万円以下であれば均等割・所得割りとも非課税

扶養親族が1人いる人・・・・・合計所得金額が91万円以下であれば均等割・所得割ともに非課税
                               合計所得金額が102万円以下であれば所得割が非課税

(合計所得金額は所得控除をした後の金額)

扶養親族いないひとと1人いる人では、住民税の均等割・所得割の非課税基準が56~67万円変わってきます。確定申告の会場でも、年少扶養親族がある方は、住民税の計算が変わってくるので必ず記載してください!!と注意喚起をしていました。記載忘れだけでこれだけ基準金額が変わるのですから、積極的な注意喚起はやはり必要だったのですね。

上記の基準金額は千葉市のものですが、計算基準の金額はお住まいの市区町村によって少しづつ変わってきます。

でも、源泉徴収票や確定申告書に書きわかれたとしても、市区町村役場は住民の家族情報を知ってるわけだから、気づいて計算してくれそうよね・・・な~んて甘いことは考えないでください。某市役所に問い合わせをしたところ、扶養家族の人数は、あくまで給与支払報告書または確定申告書に記載されたデータに基づき計算をし、住民の家族データを探して市民税課で勝手に扶養親族の人数を付け足してくれるということはないそうです。

あら(?_?)記載したかな??と不安になった方は、お手元の源泉徴収票や確定申告書を今一度ご確認を!!