マイナンバーより急がないといけないなとおもっていること その3
こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。
国外居住親族の年末調整書類のお話のつづき、今日で最後です。
親族関係書類・送金関係書類について、国税庁からQ&Aが出ていますので抜粋します。
(抜粋文章 / 国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)平成27年9月)
今日は引き続き送金関係書類について。
[Q3] 「送金関係書類」には、どのような書類が該当しますか。
[A]
「送金関係書類」とは、次の書類で、居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます(その書類が外国語で作成されている場合には、その翻訳文を含みます。)。
① 金融機関(注)の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
② いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示等してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者から受領し、又は受領することとなることを明らかにする書類
(注) 金融機関には、資金決済に関する法律第2条第3項に規定する資金移動業者も含まれます。
銀行等の金融機関を通して確かに送金をしたことを証明する書類や、クレジットカード等での生活費の工面をしたことを証明する書類などを用意してもらう必要があります。
しかも、28年1月1日以降の書類を用意してもらう必要があるので、該当の従業員さんには、今年中に28年1月以降の分保管の依頼をしておかないといけません。
そして、こちら
[Q23] 扶養控除等の適用を受けようとする国外居住親族が複数いる場合に、これらの国外居住親族に対する送金等を一人の代表者にまとめて行っている場合、その送金等を行ったことを明らかにする書類をこれらの国外居住親族全員分の「送金関係書類」として取り扱うことができますか。
[A]
「送金関係書類」については、その年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものとされていますので、扶養控除等の適用を受けるためには、各人別の「送金関係書類」が必要となります。
したがって、代表者の方にまとめて送金等がされている場合には、その代表者の方のみの「送金関係書類」に該当し、その代表者の方以外の国外居住親族に係る「送金関係書類」には該当しないことになります。
国外に残してきた家族が複数いる場合には、各人ごとに送金してね、と書いてありますが、これは実際どうしたら良いのかな・・・と。
国に奥さんとご両親を残してきていて、その3人が一緒に住んでいる場合、普通だったらその中の一人を代表にして送ると思うんですが・・・(為替手数料もバカにならないし・・・)、このQ23では、家族一人一人に送ってくださいとあります。
なので、場合によっては送金用の口座を新たに開設しないといけない人も出てきますね。この部分に関しては、このまま運用されるのかな・・・もしかしたら改正入らないかな・・・と思っていますが、いまのところは家族一人一人になっています。
それと、これ
[Q28] 国外居住親族への送金等は知り合いを通じて現金で手渡ししているため、「送金関係書類」がない旨の申立てがあった場合、国外居住親族に係る扶養控除等を適用することはできないのですか。
[A]
国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受けようとする場合には、「送金関係書類」の提出又は提示が必要とされていますので、「送金関係書類」の提出又は提示がない場合には、その国外居住親族に関しては、扶養控除等を適用することはできません。
なお、居住者から現金で渡した旨の申立書が提出又は提示された場合であっても、その申立書は、所得税法に定める「送金関係書類」には該当しませんので、その国外居住親族については、扶養控除等を適用することはできません。
現金手渡しだと証拠が残らないからダメよ、と。
送金関係書類は、銀行等金融機関を通して家族一人一人に送金した書類を用意してもらう必要があります。
この規定、近年常識の範囲を超える人数で海外に住む親族について扶養控除の計算をしている人が多く、その扶養親族の人数が正しいかどうかの確認が取れないことが問題になっていました。その結果とうとうこのような新たな規定ができたわけなんです。
海外に多数の扶養親族(朝日新聞デジタル2014/10/24)
不正なく真面目にやっていた人には迷惑この上ない話です。・・・が、決まったことには従う必要があります。
規定通りの書類を準備するための事前準備(新たに口座開設をしたり、海外の役所への問い合わせなど)には、正直どのくらい時間かかる見当がつきません。
来年の話をすると鬼が笑うと言いますが、来年の今頃「相手が海外で連絡つかない~!!」と焦りまくることのないよう、これらの書類に関しては、笑われてもいいのでなるべく早めに準備開始するのがいいでしょう。