売上の計上時の注意点

こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。

ずいぶん開きましたが、引続き記帳の注意点などについて書きます。

売上の計上についての注意点です。

売上が上がったら、売上計上します。すごく当たり前のことです。
売上計上時に注意すべきポイントは計上時期の基準です。
計上時期には一定の基準があり、基準は売るものによって決められています。

1商品等の販売売上

出荷基準 商品等を出荷した日
検収基準 相手が検収ほをした日
使用収益開始基準 土地等を相手方が使用収益することとなった日
検針日基準 検診等により販売数量を確認した日

2請負サービス(物の引き渡しを要するもの)

完成引渡基準 目的物全部を引き渡した日
部分完成基準 完成部分を引き渡した日

3請負サービス(物の引き渡しを要しないもの)

役務完了基準 役務(サービス)の全部を完了した日
部分完了基準 部分的に売上金額が確定した日

売上の形態ごとに決められた計上基準は、いずれの基準を採用しても、継続して適用することが必要です。売上基準を変更することは、その年に計上する売上金額の増減を調整することができ、その調整は脱税や粉飾につながる行為です。繰り返しますが、いずれの基準を採用するにしても、継続適用してください。

決算時の注意点としては、決算日前後の売上を、基準通りに計上することです。

当期の売上を次期に計上したり、次期の売上を当期分にしないように注意します。

決算日前後の出荷伝票・納品書控え・請求書控え・領収書控えなどの資料から、取引月日・金額を確認し、当期に計上すべき売上を確認します。

 

売上の基準日でちょっと難しいなと感じるのが、建設業の売上計上の基準です。

建設業の売上計上基準は、

2請負サービス(物の引き渡しを要するもの)

完成引渡基準 目的物全部を引き渡した日
部分完成基準 完成部分を引き渡した日

のどちらかを採用します。

完成引渡基準の「引き渡した日」は、国税庁のHPによると

請負契約の内容が建設、造船その他これらに類する工事(以下「建設工事等」という。)を行うことを目的とするものであるときは、その建設工事等の引渡しの日がいつであるかについては、例えば作業を結了した日、相手方の受入場所へ搬入した日、相手方が検収を完了した日、相手方において使用収益ができることとなった日等当該建設工事等の種類及び性質、契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。

とあります。
少しわかりにくいですが、
工事物の引渡し証明書などの書面を受け取った日
建物など工事物の鍵を引き渡した日
建物など工事物を発注者が使用開始した日
などが基準日となります。

つぎに、部分完成基準の「完成部分を引渡した日」は、国税庁のHPによると

建設工事等の全部が完成しないときにおいても、その事業年度において引き渡した建設工事等の量又は完成した部分に対応する工事収入をその事業年度で売上計上する。

とあります。
適用される例としては以下の場合があります。

①一つの契約により同種の建設工事等を多量に請け負ったような場合で、その引渡量に従い工事代金を収入する旨の特約又は慣習がある場合

②1個の建設工事等であっても、その建設工事等の一部が完成し、その完成した部分を引き渡した都度その割合に応じて工事代金を収入する旨の特約又は慣習がある場合

 

「完成引渡基準」と「部分完成基準」の他に「工事進行基準」がありますが、これは長期大規模工事(工事期間が1年以上、請負金額10億円以上など)の要件があるのでここでは割愛します。

税務調査を受ける場合、どのような業種でも売上が適切に計上されているかを必ず確認されます

建設業に関しては、請負契約書や引渡し証明書など、売上基準日を確認できる書類に記載された日付と、帳簿の売上計上日を突き合わせ確認をします。

売上計上時の資料を確認しやすいように保存しておくことが大切です。

工事が契約通りに進まず、契約書に記載された引き渡し期日と計上日がずれていたりする場合もあります。そのような時は、実際の引き渡し日がわかるような資料も保存し、経緯を説明できるようにしておく必要があります。
工事台帳も確認しますし、社長や現場責任者の工事進行記録を書いたノートなどが重要な確認書類となることがあります。

計上基準について質問されたときに、説明できるような客観的資料をそろえて保存しておくことが大切です。
これは、どんな業種でも共通の注意点です。

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