医療費控除、通院費も含めていいの?

こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。
引続き医療費控除。今日は、通院費です。

医療費控除ができる金額には、医師などの診療等を受けるために直接必要な通院費や医師の送迎費で通常必要なものも含めることができます。公共交通機関の運賃は調べればわかるものですから、領収書をそろえる代わりに、お手持ちの紙にメモ程度の記録を残しておくか、病院等の治療費の領収書に交通費をメモ書きで記録を残しておいてもよいです。

「直接必要」で「通常必要なもの」の範囲はどの程度なのでしょうか?

公共交通機関の運賃で、自宅から病院までの区間の運賃としてかかるものは、もちろん含めることができます。

診療等を受けるということは、身体的になにがしかの不調があるときですから、公共交通機関のみの利用だけでは通院が難しいときもあります。医療費控除になるかならなかいか、具体事例を見てみましょう。

骨折治療のためタクシー利用して通院した

タクシーの利用料金については、一般的にはそのすべての金額が医療費控除の対象になるわけではありませんが、骨折しているなど電車やバスなどが利用できない場合のタクシーの利用料金は、全額が医療費控除の対象となります。

自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場代は?

医療費控除の対象となる通院費は、電車賃やバス賃などのように人的役務(サービス)の対価として支出されるものとして取り扱われています。なので、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車場代は人的役務(サービスの対価)ではないので、医療費控除の対象にはなりません。

近所の人の自家用車に乗せてもらったので運賃を支払った場合は?

通院のための人的労務の対価は医療費控除の対象になりますので、近所の人の車に乗せてもらった分の運賃を支払った場合は医療費控除の対象になります。正式な領収書はないでしょうから、メモ書きを残しておくとよいでしょう。

ただ、近所の車人に乗せたもらったときに支払うものは、通常はただの「運賃」としての意味合いだけでなく「謝礼」としての金額も含まれていると考えられるので、単純に支払った金額の全額が医療費控除の対象となるとは考えにくいです。

子供の通院につき添った母親の交通費は?

子供の付添に限らず、患者の年齢や病状からみて、患者を一人で通院させるのが危険な場合や無理な場合は、患者の通院費のほかに付添人の交通費も医療費控除の対象となります。(ただし、通院のために通常必要なものに限ります。)

入院している患者の看護のための付添家族の通院費は?

医療費控除の対象となる通院費は、医師等に診療等を受けるために直接必要かつ通常必要なものなので、患者自身が通院に必要なものに限られます。入院している患者の看護のための付添家族の通院費は、患者自身は入院していて通院はしていませんので、医療費控除には含めません。

歯の治療の途中で引越しをしました。かかりつけの歯医者で引続き治療を受けるのですが、その通院費は?

引越しのために遠方にある歯科医に通院するための通院費が、どのような場合でも全額医療費控除の対象となるとは言えませんが、治療の進行程度からみて、引越し先の近所の歯科医で治療を受けるより、遠方のかかりつけの歯科医で治療を受ける方が合理的であるため通院する場合には、その通院費の全額は医療費控除の対象になります。

「直接必要」で「通常必要なもの」お分かりになりましたか?
判断が難しい場合は、最寄りの税務署に電話をすると、国税庁電話相談センターにつなぐことができます。
確定申告時期(平成28年2月以降)は人員を増やして対応しているので、不安な場合は電話をしてご確認してください。