医療費をクレジットで支払った場合、医療費控除はいつ受けられるの?

こんにちは、千葉の女性税理士・竹山百代です。

確定申告に向けて、一番適用したい人が多い医療費控除についてしばらく書いていきます。

国税庁HPタックスアンサーの医療費控除についてのページには
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1120.htm

医療費控除の対象となる医療費の条件として
「その年の1月1日から12月31日に支払った医療費であること」とあります。

いつ支払ったかで、何年分の確定申告の医療費控除の対象金額にするかが変わってきます。

最近は、病院でクレジットカードが使用できるらしいですね。

息子の友達が歯医者で歯科矯正治療を受けていますが、矯正の治療費はクレジットで支払っているそうです。そこで、クレジットカードで支払った場合、「医療費を支払った日」は、窓口でクレジットカードを利用して治療費を支払った日なのか、クレジットでの分割支払金額が銀行口座から引落される日なのか・・・と聞かれました。

結論から言うと、クレジットでの支払いの場合は、患者さんが窓口でクレジットカードを利用して治療費を支払った日を「医療費を支払った日」として認識します。

クレジットカードを利用した場合は、患者が支払うべき治療費を、クレジット会社が歯医者に立替払いし、その立替払い分を患者がクレジット会社に分割で支払うことになります。銀行から引落される分割払いの金額は、医療費の支払いではなく、患者のクレジット会社への債務の支払となります。よって、「医療費を支払った日」はいつかというと、クレジットカードを利用して窓口支払をした日ということになります。

この考え方は、歯科医での矯正費のクレジット払いに限らず、病院での治療費を、カード一括払いをした場合にもあてはめることができます。

例えば、年末に病院に行って、治療費が思った以上にかかり、手持ちの現金なかったためにカード支払をしたという場合。窓口でクレジットカードを利用して支払ったのが年末、カードの引き落とし日が翌年2月などというときでも、そのかかった分の治療費は、翌年2月の引き落としの年分の医療費控除ではなく、年末窓口でクレジットカード支払をした年分の医療費控除の金額として計算をしてください。

クレジットを利用した場合、患者さんの手もとに医者の領収書がない場合もありますが、そのような場合は、クレジットの契約書や信販会社の領収書などにより治療費の支払先や治療費の額を証明することが必要になります。

同じ分割払いでも、クレジットカード払いではなく、単に病院に未払いになっている場合はどのように扱うか。
例えば、年末病院に行き、治療はその場で完了し治療代金が10万円となった。手持ちの現金が足りなかったので、とりあえず6万円を12月27日に支払い、残りの4万円をツケにしておいてもらい、翌年1月5日に再度窓口に行って現金で支払った場合。

6万円は年末に病院に行った年分の医療費控除、残り4万円は、翌年分の医療費控除の対象金額となります。

これは、医療費控除の対象となる医療費の額は、その年中に実際に支払った金額に限られており、その年中に治療が終わっていている場合であっても、未払いとなっている医療費はその年の医療費控除の対象にはせず、現実に支払った年の控除の対象にするという考え方からです。

同じような分割払いでも、クレジットカード利用の場合は、病院にはすでにカード会社が立替払いをしてくれているので、病院に対して未払いの状態のものとは、医療費控除の対象になるかならないかの扱いが変わってきます。